てけとうに買ったザスニで、
文体がとっつき易かった短編から逆探して購入してみた。どっかで「なんぼラノベっつってもキャラクターの造形が軽すぎる」みたいな評価があって、そりゃ軽いけど、内容/設定を考えれば適度な軽さでイイんではないかしらと思ったんだけど、2巻は「軽すぎ」だね、確かに。(その人の高評価な本が「半分の月…」で鼻白んだけどさ)
1巻はまずまず、と思いました。続きに期待。
1巻(6/10点) 2巻(4/10点)
マット・スカダー・シリーズ第九作。
MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞受賞作……らしい。
そんでまぁ、『墓場への切符』『倒錯の舞踏』『獣たちの墓』を併せて倒錯三部作というらしい。真ん中から読んでしまった。……しかしそもそも、僕は同シリーズを『八百万の死にざま』『暗闇にひと突き』『死者の長い列』『死者との誓い』『倒錯の舞踏』と、滅茶苦茶な順番に読んでいるので、今更どうということはない(笑)
倒錯三部作は、『死者との誓い』の後書きによると「『スカダー対現代都市の絶対悪』という苛烈な主題が貫かれた野心作」と表現されているが、まぁ読んだ印象もそんな感じ。「野心作」というと、かなり詰まらなそうに見られてしまうと思うが、そこまでではない。 むしろスカダーシリーズとしては起伏に富んだストーリーで読ませると思う。 ただまぁ、このシリーズの魅力ってそういう所にはないんだよな、と認識するに至るわけだけれども。 メインストーリーは、かなり極端な方に振れていて、多少胃にもたれる感があるので、シリーズ内での比較としてはあんまし評価しないけど、絶対的には面白い作品であることは言うまでもない。
エピローグの綺麗さはなかなかステキ。
そしてローレンス・ブロックには悪いが、最近スカダーシリーズを読み進めた結果として、「
酔いどれ故郷にかえる」の水際だった完成度に、改めて感心してみたり。なにしろ、ブロックっつったら、現代ハードボイルドの巨匠中の巨匠なわけであり。
シリーズとしてはなぁ…という補正が入って(6/10点)
こっちを先に読んだわけだけれども、面倒なので続けて。
「倒錯の舞踏」に比べれば対極にある、淡々としたお話。枯れすぎているとも言えそうな雰囲気。だけど、「倒錯」と比べりゃこっちの方が好きかな。しかし、興味のない人から見るとシリーズはみんな同じように見えてしまうかも知れない。そして広い目で見れば、ネオハードボイルドなんてみんな同じようなモノだ(笑)
でもまぁ、「人の死をどう捕らえ、克服していくか」という純文みたいなノリと、
「八百万の死にざま」を
さらに枯らしたようなラストは、個人的にはなかなか好きではある。
それにしても枯れすぎではあろう(7/10点)