読書感想文

バックナンバー

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

05-10/16 (日)   酔いどれ故郷にかえる」  ケン・ブルーウン:著  早川書房

 シリーズの前作「酔いどれに悪人なし」は、あまりにもフォーミュラなネオハードボイルドだった。ほとんどパロディ寸前という趣で、解決方法も「八百万の死にざま」なみに荒っぽい解決だったのだけれど、そのくせ妙に文体があっさりしていて読みやすかったので、その続きも暇つぶしにちょうどいいかと、何となく購入。

 いや、コレは凄い。
一人称視点、露悪趣味、ロジカルな解決の放棄、主人公の救いようの無さ、主人公以外の妙に魅力的な登場人物……。前作はなんてコトないと思ったんだけど、この本はネオハードボイルドの極北かもしれん。ミステリ好きには勧められないけど、ハードボイルド好きだったら(前作とセットで)読んでおいて損はないかも。

(前作を読んだ上で、こっちにだけ点数を付けるとして) 9/10点

[先月] [目次] [来月] [最新版] [トップ]

Akiary v.0.51